すごいぜジェフ・バックリィさん

ジェフ・バックリィさんという人知ってますか?ミュージシャンの。私は、数ヶ月前に初めて聴いて、まんまとハマってしまいました。もうちょっと前から存在は知っていたけど、「ジェフベックみたいななまえのひとがいるんだな」とか思いながらスルーしていた・・・おろかですよねえ。名前しか知らない人たくさんいます。でもなかなか全部聴くのむずかしいがな。タイミングですな

 

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(↑本人。ちょっともの寂しげな表情がずるいですね。モテそうじゃ)

 

 

私が初めて聴いたのは「Grace」という唯一のオリジナルアルバムでした。

しっとりした切ない感じだわぁとか思いながら、一曲目の「Mojo Pin」をのんびり聴いていたんですが、曲がすすむにつれて声が跳ね上がり(?)激しく盛り上がったのでびっくりした。そのまま「なんじゃこりゃ・・・」と思いながらズンズン聴いて、じわじわと好きになってしまいました。

2曲目のGraceを聴いた時もびっくりした。これも後半に「どええ?!」ってなっちゃうんだよね…。。

 

このひと、なんかすげえ歌が上手いというか…上手いなんて言いかたじゃ良くないと思うんですけど…うーん

…何にも縛られず「歌」に対してどこまでも自由な感じがする。小さいこどもがらんらん歌うような無邪気なところもあるし、天まで届けるようなお祈り感みたいなのも感じるし、ロックンロールスターみたいな佇まいもあるし、ギター片手にほっつき歩く旅人みたいな土臭さもあるし。

すごく形容しづらくて、それがいい。本人もあまりジャンルとかカテゴリーとかの必要性を感じていなかったんじゃないのかなって予想。話したことないから知らないけど。でも「オルタナティブ」とかそういう枠に入れるのも似合わないと思うんだよね。もうちょっとまっすぐな印象。

似たような「一人でやってる青年」系だと、エリオット・スミスとか思いついたんですけど、バックリィさんのほうがもうちょっと派手なかんじがする。ドラマチックっていうか。

ツェッペリンとか好きだったらしい。言われてみるとそんなかんじもするですね。

 

「Grace」(Graceってタイトルすごい。日本語で優美ですよ。つけらんねー)も勿論良いアルバムなんですが、個人的には「You&i」もすごく良いなと思います。最近でたっぽい。カバー曲がいっぱい入ってる。

で、どれもこれも他人の曲っぽさがぜんぜんないんですね!すごく馴染んでいて、本人の曲みたい。でも、ジェフバックリィ色に染めるっていうよりかは、「この曲を魅力的にするために俺にできること」を、スルッとこなしているだけのように聴こえる。書いてて思ったんだが、ちょっと立ち位置が役者さんみたいだ。

個人的にはthe boy with the thorn in his sideがかなり好き。優しくて良い匂いがしそうだー ギターいっぽんなのにすごく華やか。いや、原曲がすきなのもあるんですけど・・・

このアルバムには入ってないけどコクトーツインズのエリザベスさんとも一緒に歌ったりしてて、これもめちゃきれいなんだなー泣 

 

さっきの「形容しがたい」話とつながるが、この人の良いところは自分で自分のイメージを作ることをまったくしていないっていうところなんだと思う。多くのアーティストは、自分の理想像を考えて、それに近づけようと計算したりすると思うけど(それは悪いことではないし、そうしたほうがうまくいく場合もたくさんあるだろう)、バックリィさんは自分が出せるものをとりあえず出して、それがなんであれ良いものなら使っちゃおう!みたいな余裕があるきがする。変な邪念がないおかげで、自由に音楽に向き合えるんだと思う。だからあんなにのびのび歌えるのではないでしょうか。

 

でもGraceいちまい出して30歳で死んじゃってるから、今生きていたらどうなっていたのかはわからないですね。

ああ〜今生きていてくれたらよかったのに。ほんと、生きていてくれたら海を越えてライブを見にいきたかったな。それとも早死に効果で神聖化されてなかったら好きになれなかったのかな・・・わかりませんな!

 

最後にGraceのせておきます。

 

 

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すみれ